実験スピリッツ

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コロコロチキチキペッパーズの笑いを解剖する。

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2015年のキングオブコントで優勝したコロコロチキチキペッパーズの卓球コントが中毒性があるとして僕の中で話題です(今更)

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しかし、このコント一体何がそんなに面白く感じさせているのでしょうか。非常に単純なリズムネタに思われがちですが、かなり計算された笑いが用意されていると思うのです。そこで今回はできるだけこのコントを分解して考えてみます。

第一段階:試合のタイムをかけるまで(起)

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コントの役柄の設定として、ナダル氏が経験豊富な先輩役。そして西野氏が大きな大会になれていない後輩役を演じます。コントは試合前に先輩が超弱気な後輩を勇気づける場面から。ここで、2人の間にある圧倒的な上下関係を観客に意識させます。

第二段階:試合開始時(承)

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しかし、試合が始まると後輩が思いのほか実力を発揮します。「おいおい、全然ダメそうだったのに意外とやるじゃないか」と、この場面では先輩が戸惑いを見せて、観客の共感を得て笑いを取る役目を果たしています。

共感を得るとは、観客が「分かる分かる」「そうゆうことあるよな」と納得する状況です。この手法はどんな漫才・コントでも使われていて基本中の基本です。例えば、「あるある探検隊」とか「いつもここから」のようなネタだとか、モノマネもそのひとつですね。

また、この段階で後輩が変なポーズを決めるフリもしっかり効かせており、観客に「このポーズはなんだろう」という疑問を抱かせておきます。

そして、一回目のタイムを掛ける場面。先輩が戸惑いながら「お前調子いいけど、チームプレーが出来ていない」と後輩に指導します。

ここまでで「共感を得てもらう作業」が完了します。これがいわゆる「フリ」と言われる部分です。共感を得ることで、それ以降の観客は先輩目線でコントを見ることになります。そこで、ボケ役の後輩が変なことをする度に、先輩が感じている想定外の出来事を観客も共感するという状況が生まれます。

第三段階:後輩の調子の良さの理由(転)

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ここで、後輩が「頭の中で曲が流れていて勝手に身体が動くんです」と突然変なことを言い出します。ここでストーリーが展開し、観客の頭にクエッションマークが浮かびます。

このように、このコントはしっかりとした起承転結のリズムとルールを抑えていることが分かりますね。コントにはストーリーの基本があります。話の流れがスムーズだと、観客はネタの最中にストーリーに魅了され「次はどうなるんだ」という興味を持った状態になります。

第四段階:音楽が再生される(結)

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ここで、さっきまでよく分からなかった後輩の変なポーズの理由が解明され「こうゆうことか!」という笑いが起こります。

これまでのフリ・つかみがしっかり確立されていた為、観客は「やっとわかった!」「いやないだろ!」というぶっ飛んだボケに笑ってしまうのです。もし、フリやつかみが悪ければ、観客には理解されず爆笑は起きなかったでしょう。

このコントはメインのボケまでに観客の気持ちをがっちりつかんだので、あとは単純なボケを繰り返すだけでOKになっています。先輩が戸惑って笑いを誘ったり、後輩が開き直ってめちゃくちゃし始めるように、少しづつ状況を変えて同じことをするだけです。

主要な笑いのポイント

このコントの主要なボケ要素は二つ。

①卓球の愛ちゃんの掛け声を音楽の「さあ!」に合わせる。

②特徴的な歌い方である「くれい~」という歌詞に合わせて変なポーズを決める。

この二つのボケの基本は、動きボケとリズムボケだと思われます。

動きボケは単純明快で観客に伝わりやすく、訳が分からないので「なにそれ」と笑ってしまう。そして、リズムボケは観客に「くるぞくるぞ」と思わせておいて「やっぱり来た!」という笑いになる。あとはタイミングによって笑わせ、それをかぶせる(繰り返す)ことでどんどん面白くなっていきます仕組みです。

近年はリズムネタでブレイクする芸人が増えています。この傾向が止まらないのはリズムネタの破壊力が爆発的だからです。一度ハマれば何回やってもウケるのです。

吉本新喜劇をご存じの方なら分かると思いますが、新喜劇は定番ギャグが多く登場します。しかし観客は何回定番ギャグを見せられても笑ってしまう。この卓球コントでもそれと同じ状況が生まれているのが分かりますね。

コロコロチキチキペッパーズの安定感は何か?

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それはやっぱりナダル氏が特徴的なキャラでコントに抑揚をつけているのがポイントだと思われます。これがなければ、平凡すぎて会場の笑ってやろうという空気がしぼんでしまうし、ここまでフリやつかみがしっかりしなかったのではないかと思いますね。

今後の活躍に期待してます!

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漫才入門 ウケる笑いの作り方、ぜんぶ教えます

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