実験スピリッツ

経済・市場・思想の陰謀論をまとめます(ネタ要素強め)

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ゲーム理論を使って上司が働かない理由を考える。

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以前、所属していた会社では、寝る間を惜しんで働く社員を横目に事務系OLとべらべらとお喋りばかりの上司がいました。職場で社員が深夜まで残業する傍ら、5時ピタで悠々と帰社する上司。私は別にその上司が嫌いであった訳ではありませんが、いつも思っていたことがあります。

「この人ってなんか仕事してるの?」

もちろん、平社員の私の知る世界ではなかった収支計画、部署全体のマネジメントなどを統括されていたはずですが、油を売っている姿を目にすることが多かった印象です。

会社にはこうした人たちが大なり小なり暗躍している現状があると思います。こうした人達をフリーライダーと呼びます。他人に費用や行動をさせておいて、自分は何もせずにその恩恵に授かろうという人です。(※その上司はフリーライダーだとまでは言いません)

そこで今回はゲーム理論を使って、やる気がない上司がなぜ仕事をしないのか考えてみたいと思います。

ゲーム理論とは?

詳しい説明は省きますが、誤解を恐れず申し上げると「競争相手の行動を考え、自分が一番得する方法を合理的に考える理論」です。

今回の場合では、プレイヤーは上司とその他社員の2組です。

まず、会社で働きながら「得をしたい」と考える社員達がいます。ここでいう「得」とは、できるだけ楽をして給料をもらうことであるとします。

一方で、社員の行動を予測しながら、上司目線で「自分にとって得する行動」は何が最適かを考えてみることで、なぜ上司が仕事をしないのかが見えてくるはずです。

それでは考えていきます。

各プレイヤーにとって取れる行動は、「働く」「働かない」の二択です。

よって表を作成すると次のようになります。

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それぞれのケースについて考えます。

ケース①:上司、社員が働く場合

上司は、負担があるが給料が多少上げられるので+3点の利得

社員は、上司が負担を軽減してくれたので+2点の利得

※上司の方が給料が高いので利得は大きい、しかしやる気がないのでそんなに大きな得点にならない

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ケース②:上司が働き、社員が働かない場合

上司は、社員の分まで働くことになり、大変な労力を使うことになるので、+1点

社員は、労力をかけずに、楽に給料がもらえるので+3点の利得

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ケース③:上司が働かず、社員が働く場合

上司は、労力をかけずに、楽に給料がもらえるので+5点の利得

社員は、上司の分まで働くことになり、労力が増えるので、+1点の利得

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ケース④:上司、社員が働かない場合

誰も働かず会社に利益が生まれないので、双方も得をせず利得は0点

※ケース④の状況になると会社がつぶれてしまうので、合理的に考える彼らはこれを選択しません。

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これによって戦略の表ができました。

ここで、改めて注意したいのが、各プレイヤーは会社の利益を考えていないということです。あくまでも楽に給料をもらうための方法です。

表から分かるように、上司は社員を強制的に働かせて、できるだけ自分が働かない(利得+5点)というケース③が最も得する方法であることが明白です。

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社員から見た場合はケース②が最も良い状況です。上司に働かせ、自分たちは働かない(利得+3)が効率が良いのですが、上司に支配される立場であるかれらは、働かざるを得ず、利得+1点or+2点を得ることになります。

やる気のない上司の選択は正しかった

これで、やる気のない上司が働かない理由がゲーム理論によって解明されました。ゲーム理論によれば、働かないことが最も得をする選択であるということです。上司は人を動かすのが仕事である、ということはよく言われますが、ゲーム理論においても証明できるようです。

できる上司の場合

しかしながら、ここまで「利得」を点数で表していましたが、やる気のない上司(仕事ができない上司)とできる上司では得られる利得の点数は変わるはずです。

できる上司の場合、ケース①を選択し、上司も社員も働き、双方とも最大の利得を得るはずです。お互いが相乗効果をもたらし、負担を分散させ、給料も上がるという状況が想像できます。

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まとめ

なるほど、やる気のない私の上司の働かないという選択は正しかったようです。ただし、自分は働かない代わりに、社員をやる気にさせることが必要条件だといえます。私がその上司を嫌いにならなかった理由も無事に見つかりました。

社員をやる気にさせる方法を知らないならば、ケース④の利得ゼロの状況が生まれてしまいます。そうなれば降格は必至でしょう。

一方、できる上司は、相乗効果をもたらす職場を作ることができるということです。

ゲーム理論だと簡単に人の行動戦略がわかるので是非みなさんも学んでみて下さい。

ありがとうございました。

以下、参考文献

マンガでやさしくわかるゲーム理論

マンガでやさしくわかるゲーム理論