【子どもの夢】プロ野球選手になれる確率と必要な練習量。
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小学生の卒業文集で将来の夢が「プロ野球選手」だと書いた方は多いと思います。かくゆう僕も小学生の頃はプロ野球選手になりたいと思っていた時期がありました。
でも残念なことに、人は成長するにつれて夢は夢としていつしか無難な目標に切り替えてしまうものです。ごく一握りのプロアスリート選手の「夢は必ず叶う」という言葉には確かに勇気づけられるものがあります。
しかし、その言葉は抽象的で精神論が多く、実際にどれくらい努力すれば夢は叶うのかはっきり示されていません。
なんだか子ども達から「誰か具体的な数字で示してくれ!」という悲痛の叫びが聞こえてきます。
未来のプロ野球選手を目指す子ども達の心に火をつけておいて、「あとの人生は知りません」では無責任です。子どもたちに夢を与えるのがアスリートの仕事ならば、現実を知らしめてやるのが大人達の役目ではないでしょうか。
それを知った上で夢に向かって努力してほしいと思います。だれもやらないならば僕がやってみます。現実を知って泣いちゃダメだよ子ども達。
※子どもが読むには嫌になるくらい長い記事になってしまいました。すみません。
ドラフト指名を受ける人数
まず初めにドラフトに指名され見事プロ野球選手になれる人数を把握します。ドラフト制度は頻繁に更新されるため現行の2008年に変更された制度で検討していきます。現在の制度では各球団10名まで指名することができるため、12球団が10人指名すれば毎年最高で120人のプロ入りが可能です。
しかし実際には球団が上限いっぱいまで指名することは少なく、08~14年の7年間の平均は70.6人がプロ入りを果たしています。もっと指名してやってくれよ。
なので今回は71人が指名されるとして検証します。
アマチュア硬式野球部員の人数
日本高等学校野球連盟(以下高野連)によれば、2015年現在、全国の高校に168,898人の野球部員が所属しています。そのうちドラフト対象となる高校3年生部員は約56,299人。
また、同様に全日本大学野球連盟には、全国の大学に26,326人の野球部員がいます。ドラフト対象となる大学4年生部員は約6,582人。
合計で、ドラフト対象選手は約62,881人。よってプロ入り選手は62881÷71=887。
つまりプロ入り選手は
大学4年生と高校3年生を集めて887人に1人の逸材
と言えます。
高1年~大学4年の全学年を対象した場合、195,224÷71=2749人に1人の逸材
だということになる。
つまり、プロ野球を目指す高校生大学生は近くにいる2749人に実力で負けてはいけません。うーん、これは厳しい数字です。
ちなみに、小中学校の段階ではもっと多くの競技人口がいると考えられますが、小中学生の野球団体は沢山存在しているので、その人数を把握するのは非常に難しいのが現状です。
調べてみると硬式野球団体だけでも、日本リトル野球協会(リトルシニア、リトルリーグ)、日本少年野球連盟(ボーイズリーグ)、KB連盟、全日本少年公式野球連盟(ヤングリーグ)、日本ポニーベースボール協会と団体の乱立状態です。なんでこんなにあるんでしょうか。
プロ入りに必要な練習時間は?
プロ入り確率が「2749人分の1人」という数字は非常に厳しいように思えますが、高校1年~大学4年の195,224人のうち本気でプロ入りを目指している部員はそう多くないはず。
ではもう一歩踏み込んで、プロ入りするためにはどれくらいの練習時間が必要なのでしょうか。練習は時間より質が重要だという意見がありますが、目安としての時間は分かりやすい指標になるはずです。
球界のトップ選手イチローは小学3年生のころから、365日1日3時間くらいは練習していたそうです。練習が忙し過ぎて友達とほとんど遊べなかったんだって。練習の鬼ですね。
また、イチロー選手は小中学生の頃は野球チームに所属していたので、休日は6時間程度は練習していたはずです。
次に強豪高校の練習時間を調べます。高校野球ドットコム様のエントリーに一般的な高校球児の練習量をアンケート調査したものを発見しました。これによれば平日の練習時間は16時から8時までの約4時間が最も平均的な練習量とのこと。
それでは、甲子園出場を目指す強豪校はどれくらい練習時間を確保しているのでしょうか。ネットで情報を調べると、球界を代表する投手前田健太の出身校であるPL学園は平日7時間の練習をしたそうです。同じく強豪校で知られる日大三高は平日11時間の練習をしたという情報を得ました。
練習時間を公開している有力情報はなかなか得られませんでしたが、少なく見積もっても強豪校は平日6時間、休日8時間程度の練習が行われていると想定します。
プロ入りまでのイチローの練習時間
上記のリサーチからイチロー選手がプロ入りまでにどれくらいの練習をしていたのか予想してみます。申し訳ありませんが、中学生時代の練習量など全く情報が得られないので根拠は乏しいことを述べておきます。
学生時代の春休み、夏休み、冬休みはおそらく練習時間が増加することが予想されますので長期休暇分も考慮します。
小学生…(平日3時間×244日+休日8時間×121日)×3年間=5,100時間
中学生…(平日3時間×244日+休日8時間×121日)×3年間=5,100時間
高校生…(平日6時間×244日+休日8時間×121日)×3年間=7,296時間
中高生の長期休暇分…(休暇中65日分×8時間)×6年間=3,120時間
合計20,616時間(859日分)
2万時間!?これってどれくらいすごい数字か分かりますか?
例えば、強豪校の高校生が7300時間ほど練習していると想定しましたが、この時間を勉強に充てれば東大合格も全然夢ではありません。
参考までに受験や資格取得に必要な勉強時間を調べたところ、東大合格に4500時間。司法試験に8000時間だそうです。
以下、引用
資格難易度ランキング 勉強時間と取得偏差値|偏差値ランキング図書館
プロ入りには最低でも2万時間の練習が必要?
おそらくイチロー選手は2万時間は高校卒業までに練習していたと思われます。しかし、イチロー選手には明らかに才能があると思います。
だから凡人の場合はこれに近い練習量は絶対に必要だと考えられます。この練習量が確保できていない場合は、強豪大学へ進学し更なる猛練習が必要ではないでしょうか。
あなたの練習時間はどれくらいだろうか
現時点でプロ野球を目指しているあなたが、これまでの人生でどれくらい練習時間を確保してきたか計算してみて下さい。おそらく圧倒的に足りないはずです。
僕の場合、小学4年生から3年間野球チームに所属し、毎週土日は6時間ほど練習していました。そして中学校でも毎日平均3時間の部活に励みました。その合計時間は約2,500時間程度です。結構練習したつもりになっていましたし、これくらいで「もう野球はいいや」と思ってしまいました。凡人の極みですね。
私の場合高校野球はしませんでしたが、高校で3年間毎日17時間以上の練習をしていれば可能性があったかもしれません。はい。
それでもプロ入りは難しい?
夏の甲子園出場校は49校。その2倍は強豪校がいると考えて約100校。強豪校は100名以上の部員がいますから、高校3年生は各チームに最低でも20人は所属しているはず。
すると20人×100校=約2000人はこの最低練習時間を達成していると思われます。
毎年高校生は10~20人がドラフトに指名されます。
つまり、2万時間分練習しても、そこから100~200人に1人という確率をかいくぐらなければならないということ。しかもこの難関をかいくぐってプロ入りを果たしても、プロ野球は2~3年で首を切られる世界なのです。
プロ野球が夢の舞台だと言われる理由がはっきり分かりました。これは人生を賭ける必要があります。
まとめ
厳しい世界ですが、才能がなければプロアスリートになるには練習量こそ全てです。どうしても夢を追いかけたいならとにかく練習しましょう。
「夢は必ず叶う」とは言わない。というか夢を叶えられなかった僕には言えない。
以上です。
※今回の記事はあくまでも概算です。自分なりに考えて練習して下さいね。