【プロ野球ドラフト】高卒と大卒どっちが長く現役を続けられる?
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プロ野球では往年活躍した選手もいつかは引退を迎えます。大好きな選手の引退はまるで恋人に振られて会えなくなってしまうような感覚に似ているような感じ。
ファンとしてはできるだけ長く現役を続けて欲しいと思うのが人情ですが、プロ野球選手は実際どれくらい現役生活を続けることができるのでしょうか。日本プロ野球選手会によれば、
選手の平均寿命が約9年で、平均引退年齢は約29歳
とあります。選手の平均寿命が9年ということを考えると、9年間で球界に所属する選手は半分くらい入れ替わるんですね。
また、セイバーメトリクスを題材にした実話小説マネーボールにはこう書かれていました。
過去のドラフトの結果からいって,高卒の投手がメジャーに昇格できる可能性は,大卒の投手に比べて半分以下,大卒の野手と比べると4分の1にすぎない。(マネーボールp.30)
そもそも,高校生選手に賭けるのは分が悪いのだ。(マネーボールp.30)
あれ?高卒はそんなにプロで成功するのは難しいのでしょうか?だって、日本のプロ野球を見てると高卒の方が大成しているんじゃないかと思ってしまいます。
ぱっと思い付く一流選手は高卒が多いような気がするのです。マー君、ダルビッシュ、マエケン、山田、坂本などが代表的な選手でしょうか。しかし、これは高卒組のほんの一握りの成功者なのかもしれません。
では実際にプロ野球において、高卒と大卒でどっちが長く現役を続けることができるのか調べてみます。
取得したデータ
インターネット上に公開されたデータを探しました結果、日本プロ野球選手会 公式ホームページに記載された08~15年の選手名簿を利用します。
ここ最近で引退した選手から学ぶこと
08~14年の7年間で現役を引退した選手は680名でした。彼らの選手としての平均寿命をヒストグラムに直してみます。
今回のデータによれば選手の平均寿命は8.5年でした。グラフを見ると、20年以上現役を続ける長寿なベテランも含まれています。中には、29年も現役を続けるレジェンドもいますね。彼らが平均値を大幅に押し上げているのかと思いましたが、中央値を取ってみても8年ですので、やっぱり大抵の選手の寿命は8~9年くらいです。
ただし、注目してほしいのは最頻値です。最頻値とは、基準の数値を一定の範囲で階級分けしたとき、最も多くの標本が集中する階級を指します。最頻値はより大多数の実感に近い数値だと言えるでしょう。
この最頻値の4年という数字が表す意味は、多くの若手選手にとって一区切りつけられる時期だと考えて間違いありません。
つまり、プロ入りする選手は「平均寿命が9年もあるんだからまだ大丈夫」と考えるのではなく、入団してから最低でも4年までに大器の片鱗をアピールしておかなければならないと考えているはずです。
高卒と大卒の比較
今回利用していたデータから、引退選手680名を高卒グループと大卒以上のグループ(社会人、独立リーグ含む)に分類します。
そして、彼らのドラフト順位と現役年数(寿命)を散布図にしてみます。
高卒と大卒以上で近似式を記載してあります。
まず一番初めに分かったのは、ドラフト順位と現役経験年数に相関はほとんどないということです。つまり、「自分は下位指名だから」と諦めるのは早計。逆に言えば、プロ野球のスカウト達は、どの選手が活躍するかよく分かっていないとも考えられます。
まあ、あえて言うなら、グラフでは高卒大卒どちらの近似式も右下がりの線を描いていますので「ドラフト順位は高い方が現役生活は長い」とも取れます。のは、球団の期待の表れでしょう。素質があると信じてドラフト上位指名しているので、長い目で育てている訳です。
ただし、
- 「高卒と大卒で指名順位が同じなら高卒の方が現役生活は長い」
また、平均値を調べてみます。
高卒プロ野球選手の平均現役年数は9.5年。平均引退年齢は、28.5歳
大卒プロ野球選手の平均現役年数は7.8年。平均引退年齢は、29.8歳。
大卒は4年間も大学にいくので現役生活が短くなってしまうのは当然かもしれません。でも結局大卒も高卒も平均引退年齢では大差ないことを考えると30歳までが選手としてのピークで、それ以降は伸びしろが期待できないということでしょう。
結論
プロ野球選手として、長く現役生活を続けたいなら高卒でプロ入りが良いでしょう。
ただし、高卒で下位指名の場合よりも、大卒で上位指名の方が現役生活を長く続けられる可能性があります。
先ほど示した、ドラフト順位と現役年数のグラフから戦略を立てられるのは、
「高卒ドラフトで6位以下の場合は、大学進学を優先する。」というものです。データ上では、高卒6位指名よりも大卒上位指名の方が現役生活を長く続けられるという理由からです。
ですが、ドラフトが何位だろうとプロ野球殿堂入りを果たす選手も存在しますし、自分の夢を叶えるためにはドラフト順位に関わらずプロ入りを選択したくなりますよね。
プロ野球選手を目指す方には、冷静な判断も必要なのではないでしょうか。
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