【法廷】裁判傍聴のススメ。初めて傍聴して思ったこと。
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みなさんは裁判を傍聴したことがありますか?
これは何気なしに地方裁判所へ行って裁判を傍聴してきた話です。
正直に言って衝撃でした。裁判ってぼくはもっと遠い世界のことだと思っていました。
しかし、ぼくらが裁判所で裁かれることになる可能性はゼロではない。もちろん、読者の方々ような知識人が犯罪に手を染めるはずはないでしょう。でも犯罪の誘惑は意外と近くにあるのです。
だからこそ平和に慣れている日本国民に「法廷で裁判を傍聴する」ということをオススメしたいと思いました。
先に申し上げておきますが、決して冷やかし半分でこの記事を書くものではありません。
注意)裁判は公開されているものですが、傍聴の際に冷やかし等は絶対にやめて下さい。
裁判を肌で体感してみて
法廷や裁判に関するメディアは沢山ありますよね。印象に残っている映画で言えば
「それでもボクはやってない」や「ゆれる」などがあります。
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はっきり言って、映像で見るのと現場では全然情報量が違います。
上記に挙げたふたつの作品は、ぼく自身とても胸が締め付けられる思いをした作品です。ですが、僕は芝居が現実を超えるのは無理だと実感する経験になりました。
たった50分の法廷でしたが、犯罪に関してこれほど問題提起された経験は初めてです。
あなたは手錠に掛けられた被告の姿を間近で見たことがありますか?被告の反省の気持ちを聞いたことがありますか?裁判官・検事・弁護士からのこれでもかというほどの質問攻めを聞いたことがありますか?悲しむ親族に胸を痛めたことがありますか?感情的になる証人の姿を見たことがありますか?
裁判を傍聴したあなたは、今あなたが想像した3倍以上考えさせられると思います。そして、犯罪に対する危機意識を持つようになるはずです。
※地方裁判所の法廷は画像みたいな感じです
ぼくが傍聴してきた裁判の内容
詳細はできるだけ避けますが、ざっくり概要を説明します。
被告人は30歳前後の男性で、公然わいせつ罪と住居侵入罪で立件されています。
被告は幼少期より家庭環境に恵まれず、親族の家を転々としながら育ちます。環境のせいか、口下手で人間関係を構築するのが難しかった。そして人生の舵を上手く切れないまま成人し、フリーターとして生計を立てていました。
次第に人生が上手くいかないことにストレスが溜まっていきます。しかし状況は好転せず、職場でも良い人間関係を築けずバイトを転々し、水商売の世界に入っていきます。そこで、上司からのパワハラやモラハラを受け、その性格から更にストレスをため込んでいきました。
水商売の業務上でおかしな性癖も身に付き、ストレス発散という理由でわいせつな行為を行うようになったそうです。
被告の印象
みなさんは犯罪を犯した方を目の前にしたことがありますか?
殺人事件のニュースなどで、隣人に被告がどんな人だったか尋ねるインタビューがありますよね。「おとなしそうだった」「真面目でした」「普通の人ですよ」など。
あれを見る度に、犯罪者なんてもっと分かりやすい特徴があるんじゃないの?とか思っていましたが、ぼくが見た被告の印象も至って普通。口下手でおとなしそうな印象です。ほんとにテレビのインタビュー通りの感想しかありませんでした。
犯罪を犯してしまう方の心理
つまり犯罪を犯す人は、普通の一般市民と表面的な違いは大差ない。でも、ほんのちょっとした失敗がどんどん異常な感情を育て、ついには犯罪に手を染めてしまうのだと思います。
もちろん、許される行為ではなく罪を犯したことを認めて反省する必要がありますが、なんだか全然ありそうな話だなと、変に納得してしまう自分がいました。
被告は両親からしつけや教育を受けていない為に、社会的なモラルが欠けている可能性があります。でも、それって被告自身も被害者なのではないかと思うのです。
被告は、人付き合いが下手で相談相手が誰もいませんでした。友人もいないので、性格形成に重要な友人環境からもモラルを上手に学べなかったのではないか。
そして、ストレス発散の方法すらどうして良いのか分からなかったのでしょう。しかも生物的本能に従えば、わいせつ行為で得られたという「※開放感」と「※ストレス発散」は性欲を同時に満たすので理に叶っている。(※は被告供述部)
被告はただただ自分を見失ってしまっただけなのではないかという印象を受けました。
だから、ぼくらもほんのちょっと生活環境が違えば、彼と同じような状況に陥ってしまう可能性はいくらでもあるのではないかと考えさせられました。
僕としては被告の肩を持つ訳でもありませんが、彼の将来のためにも禁固刑で反省し、教育を受けて欲しい。そうすれば、彼の更生も望めるのではないかと思いました。
僕は犯罪心理学に疎いので感想はここらへんにしときますが、
素人でもこれくらい考えさせられてしまうのです。
裁判傍聴の手引き
最後に法廷で裁判を傍聴する方法を説明します。
といっても手続きも予約も要らず、服装も自由、持ち物も手ぶらでOK、ただただ裁判所に向かえば良いだけです。
裁判所にもよりますが、法廷が開かれている日時は、平日で午前10時~12時、午後1時~4時くらいまでです。小さい裁判所だと裁判の数が少ないので予定がガラガラの可能性がありますので、電話での確認が良いかもしれません。
ちなみに、裁判は1時間程度で終わります。
- 初心者は地方裁判所がオススメだそうです。
- 裁判所に着いたら受付へ行ってください。
- 受付にある開廷表というファイルを探して下さい。当日に行われる裁判の内容が書かれています。
- 傍聴したい裁判の時間を調べて下さい。
- 開廷時刻が近付いたら指定された法廷に入って傍聴人席に座りましょう。
注意)
- 席を立ちづらい雰囲気です。開廷前にお手洗いに行きましょう。
- 初めてなら1人では行きづらいと思います。複数人で行きましょう。
- 法廷の目の前に傍聴に関する注意事項があるので良く読みましょう。
- 冷やかしはやめましょう。関係者に迷惑です。
- 初めての傍聴は刑事裁判をお勧めします。
まとめ
裁判を傍聴する行為は国民の権利です。それはあくまでも裁判は公平であるために公開する仕組みですが、犯罪に対する意識を高めるには最も効率的な経験だと思われます。
陪審員制度という積極的な国民の参加を促す制度もあるくらいですから、ぼくが言わなくても周知でしょうが。
是非、経験したことがない方には傍聴して頂きたいと思いました。そして国民1人ひとりが犯罪に対する意識を高めることになればいいなと願うばかりです。
以上、ありがとうございました。